省令準耐火構造とは?
間取やデザインの方向性が決まったころ、お施主様より建物を「省令準耐火構造」にしたい、というお話がありました。
「準耐火構造」なら、建築基準法にも定義されていて馴染みがあるのですが、「省令」がつくと、正直なところ初耳です…。
お施主様の話によると、火災保険料がかなり安くなるそうで、多少コストがアップしても是非やりたいとのことでした。
とにかく調べてみることに…。
答えはすぐに見つかりました。
建築基準法で定める準耐火構造に準じる防火性能をもつものとして、住宅金融支援機構が定めた防火性能基準のことでした。
詳しい内容は、住宅金融支援機構のウェブサイトで確認することができます。
ざっくり書くと、
・屋根:不燃(瓦、スレート、金属板など)
・外壁:防火構造(モルタル塗、認定の取れているサイディング)
・内部の壁・天井:石膏ボードなどの防火被覆
一部、石膏ボードを厚くしたり、強化石膏ボードを使用するところも出て、若干のコストアップですが、その他はもともと予定していたので問題ありませんでした。
でも、柱や梁をすべて石膏ボードなどで防火被覆しなければならず、露出して使うことはできないようです。
ここで困ってしまいました。
写真のように、1階のLDKの天井に梁を露出させてインテリアのアクセントにしようというと目論んでいたものですから…。
方針変更? せっかくお施主様に気に入っていただいたのに!
でも、基準が定められているといっても、ちょっと納得がいきませんでした。
過去に、準防火地域内で計画した木造3階建ての「バス通りの家」と「狛江の写真館」では、梁を露出させることができたからです。
火災のとき、3階から避難するのは、2階からよりはずっと困難なため、建築基準法では、木造3階建の方が防火設計の基準が厳しくなっています。
「準耐火構造」か「準防木3」という建築基準法施工令136条の2に定められている技術基準にのっとることになります。
「準防木3」なら、窓の面積や構造に厳しい制限がある代わりに、梁の露出が可能なのです。
3階建てでできることが、2階建てだとできない。どうして?
しかも、住宅金融支援機構の基準は、建築基準法より下位のはず。
素朴に疑問になったわけです。
そこで、「梁あらわし+省令準耐火」で検索してみると、
「木住協、「あらわし」可能な省令準耐火構造の仕様承認を取得」の文字が!
何とかなるかも!と期待しながら木住協の仕様を調べてみると、屋根、外壁、内部の壁・天井の扱いは住宅金融支援機構と同様で、加えて柱や梁の露出が可能というものです。
光が見えてきました。(^-^)
木住協とは、(社)日本木造住宅産業協会のことです。
木住協の仕様にのっとり、木住協加入の工務店が施工すればOKだそうです。
幸い、今回予定している工務店さんが木住協に加入していたので、LDKのデザインはそのまま進めることができ、一安心となりました。
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